金メダルの新井千鶴 悔しさの連続だった柔道人生
何度も立ち上がり、見事に東京で花開いた
7月28日:スポニチ
柔道女子70キロ級の新井千鶴(27:三井住友海上)が、決勝でポレレス(オーストリア)
を破り、金メダルを獲得した。同階級では、リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得
した田知本遥に続く日本勢の連覇となった。
「うれしいです。その一言です」「本当に家族が一番の味方ですし、どんな時も千鶴は
強いと言い続けてくれたので、両親、兄をはじめ、たくさんの方に感謝の気持ちで
いっぱいです」。リオ五輪は代表落ちし、精神的にも苦しんだ過去を、家族が支えて
くれた。感謝の気持ちだった。
新井の柔道人生は悔しさの連続だった。児玉高校時代に高1で57キロ級、高2で63キロ級、
そして高3で現在の70キロ級に転向。原因は当時、63キロ級のライバル選手が埼玉栄におり、
ほとんど負けていたことによるものだ。監督から70キロ級に転向することを勧められた。
監督は「階級を上げる相談をしている時“逃げるようで嫌”というイメージを持ったと思う。
ずいぶん話をした」と説得。新井は階級の転向を受け入れた。成長するためだ、と心に
刻んだ。10年前の決断がなければ今回の結果はなかった。
5年前には田知本遥との五輪代表争いに敗れ、ライバルはリオで金メダルを獲得する
悔しさも味わった。五輪前最後の大会では海外選手に敗れて銅メダルだった。
新井は「プラスに捉えたい。足りない部分をしっかり詰めていきたい」と、努めて前向
きに捉えた。全ては東京五輪の「金」につながっていた。悔しさという栄養分を受けた花は
美しく咲いた。
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/07/28/kiji/20...
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