捏造された慰安婦問題拡散のきっかけの1つが朝日新聞大誤報
慰安婦性奴隷説は1983年に吉田清治が『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(三一書房刊)という
本を出して誕生する。吉田は済州島で日本軍人らを引率し、若い未婚女性や赤ん坊を抱いた母親
を連行し、レイプしたという「体験」を語ったのだ。
だが、『済州新聞』は、現地住民はそのようなことはなかった、吉田は嘘をついていると語っている
と1989年8月14日同紙に書いている。
この吉田の証言から8年後、1991年8月11日、朝日新聞が大誤報をして、第1次慰安婦騒ぎが始まる。
「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く」という大見出しを付けた記事は〈日中戦争や第二次
大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人
従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」
が聞き取り作業を始めた〉というリードが付けられていた。
「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され」と書いている点が吉田証言に乗っかった悪意を持つ誤報だ
った。なぜなら、名乗りを上げた元慰安婦、金学順さんは「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され」
てはいないからだ。彼女は貧しさのため母親に40円でキーセン(妓生。朝鮮半島の芸妓・娼婦を指す
)として売られたと訴状などで明言しているのだ。今現在まで朝日新聞はこの誤報を訂正していない。
1992年1月に訪韓した宮沢首相は盧泰愚大統領に8回謝った。私は同年2月、外務省北東アジア課
の幹部に、首相は権力による強制連行を認め謝罪したのか、貧困による人身売買の被害に対して
謝罪したのかと質問したところ、これから調べるという驚くべき回答を得た。以上のような内容を私は
同年4月号の月刊『文藝春秋』に書いた。
私の論稿が出た直後、現代史学者の秦郁彦先生が吉田証言について現地調査を行ない、先に
引用した済州新聞の記事などを発見して吉田証言も嘘であることを暴いた。金学順さん以外の名乗り
出た元慰安婦の証言についても、ソウル大学名誉教授の安秉直先生が学術的な調査を行ない、権力
による連行は証明できないという結論を出した。
日本政府は1992年1月以降、過去の公文書を徹底的に調査したが、女子挺身隊制度と慰安婦は
全く別物であり、慰安婦を権力によって連行したことを示す文書は1つも出てこなかった。以上のよう
に、第1次論争で実は事実関係については決着がついていた。
http://www.news-postseven.com/archives/20120815_136784.htm...
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