次期「平昌五輪」韓国への懸念…開催国の自覚はあるか
ソチ五輪がまもなく閉幕する。次期冬季五輪は2018年に韓国の平昌で開催される予定だが、
韓国の動向をみると、五輪開催国としての自覚がまったく感じられない。4年後、韓国は世界の
アスリートたちをどのように「おもてなし」するのだろうか。
ソチ五輪のフィギュアスケート男子で、カザフスタンのデニス・テン(20)が銅メダルを獲得した。
韓国メディアによれば、デニスの母方の祖先は朝鮮独立運動家につながる血筋なのだという。しかも、
カザフスタン初のフィギュアスケートメダル獲得選手だ。大拍手となると思いきや、ネット上に、
テンが日の丸のはちまきを巻いている写真が流れた。
ハングルで書かれたサイトでは、その写真が大きく使われていた。違うサイトでは、この写真はテンが
2013年の世界選手権で2位になった際にも話題になり、「韓国人を戸惑わさせた」と紹介されている。
その上で「銅メダル獲得と同時に騒ぎを再燃させるのは悪意的」とも書かれていた。
「日の丸はちまき」のテンの写真が本物か、あるいは合成なのか、流したのは韓国人なのか…。
詳細は分からない。「日本人の陰謀だ」と因縁をつけられないだけ、ましと考えるべきなのか。
2月13日のショートトラック女子500メートルで英国の美人アスリート、エリス・クリスティ(23)が
転倒し、これに韓国選手が巻き込まれた。15日付英紙オブザーバー(電子版)によると、この試合後、
クリスティの短文投稿サイト「ツイッター」が炎上した。「気持ち的に本当につらかった。私への脅迫文が
送られてくる。競技に集中できない」とクリスティ。英国選手団の関係者は「ツイッターの内容は一種の脅迫。
不愉快な内容だった」と話し、クリスティのツイッターは閉鎖された。
同紙は「五輪でのソーシャルネットワークのあり方を検討する問題だ」と指摘。そのうえで「500メートルで
転倒した後、クリスティにだけ不愉快なツイッターが急増した」「韓国選手の転倒に多くの韓国人が驚いた」と
掲載しているが、炎上が韓国人によるものとは断定していない。
ショートトラック男子ではロシアのビクトル・アンが活躍した。韓国代表として活躍した実力者で、韓国の
スケート連盟との関係が悪化して国籍変更し、2011年にロシアに帰化した。この件について、韓国の朴槿恵
大統領は「アン選手の(国籍変更)問題が、スポーツ界の派閥主義などのせいではないか考えてみるべきだ」と
述べたが、五輪開催中に、国のトップリーダーが口にすべき問題だろうか。競技に集中している韓国選手団に
不要な動揺を与えかねないとの配慮もできないようだ。朴大統領は次期開催国の大統領であるにもかかわらず、
開会式を欠席し、野党から批判を浴びた。アンの活躍を名誉挽回の機会ととらえ、五輪に関心のあることを
アピールしたかったのかもしれない。
ソチ五輪ではロシア選手への応援は猛烈なものだった。平昌五輪でも韓国選手への応援は熱を帯びるだろう。
だが、それはそれとして、開催国にはバランスの良い大会運営が求められる。それには“よからぬ噂”も出ない
ような気配りが必要だと指摘しておく。
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